2013年07月12日
国境を越えても、ハトムギは変わらず
えんめい茶の主原料の一つ、ハトムギ。鳩麦とも書きます。
黒姫和漢薬研究所は、かつてベトナム産のハトムギを使用していま
した。ベトナムの北部、ラオスに近い山村のモウカッチャンという山
村で契約栽培を行い、輸入をしていたのでした。ちなみにこの村は
秘境とも言える僻地で、首都ハノイから車で14時間、その後徒歩で
山を登り2時間という場所です。この村は山上にあるので水が貴重
品です。ですから栽培できる作物は水を余り使わないものが適して
おり、陸稲が主要な産品でした。その陸稲畑の中に、ハトムギを植
えると、一茎に実るハトムギがヨクイニンが一杯つまった出来の良
いものになるのと同時に、収穫量も増えるのです。ちなみに、ハトム
ギは米や麦のように密作(間をつめて植える事)をすると茎だけが伸
び、実りが悪くなるのです。
ベトナムでの契約栽培はおよそ10年にわたり続きましたが、僻地の
山村にも経済成長の波は否応なしに押しよせてきました。若者がど
んどんと都会にでるようになり、離農する農民が増えたのでした。
そこで、国内での栽培地を探していたところ、富山県小矢部市での
栽培農家の中山さんに出会ったのです。密作に適さなかったハトム
ギを改良し、反収を増やし国内の農業経営にも適すように畝の作り
方や土の堆肥などにも工を凝らし、ベトナムの山村産のものにも劣
らないハトムギとなったのです。このハトムギには力があり、高温の
焙煎にも十分耐え、うま味を増すのです。えんめい茶の味も必然的
に良くなったのです。
夏の暑い時期には、煮出しすこともできますが、水出しをするとクマ
ササやクコの味も出て、美味しく召し上がることも出来ます。これも
国内産のハトムギの力が、他の和漢草の力を引き出しているので
しょう。
学名 Coix lacryma-jobi var. ma-yuen
和名 ハトムギ
英名 Job's tears; Adlay
皮を剥いた種子を薏苡仁(よくいにん)と呼ぶ。
いぼ取りの効果、利尿作用、抗腫瘍作用などがあるとされる。
ハトムギエキスは皮膚に塗布すると、保湿作用、美白作用がある。
Posted by えんめい茶本舗 at 13:43│Comments(0)
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