2011年09月29日
Vol.1-8
外出禁止になってしまった僕は
縁側の長座布団に座って、外をみている。
草むらがゆれて・・
土の匂いが香って・・・
僕を誘うけれど
ここで、見ているしかできない。
いつしか、うとうととして、眠ってしまう。
そして、夢をみる。
あの時の、
僕を呼ぶ、幼い声が聞こえた気がして、
目を覚ます。
庭の向こうの道を
僕とそっくりの毛色の、少し小柄な猫が
歩いていく。
今、こっちを向いた・・・?
何か言いたそうに、見てた・・・?
そのまま、
道を通り過ぎていってしまう?
追いかけなくっちゃ!
でも!
玄関のドアには鍵が掛っていて
開けられない!!!
あとになって、
落ち着いてみて、
気のせいだったのかと、思ってはみたのだけど、
それから、
その子を見かけないかと、気になってばかりいる。
そして、ふと、思う。
僕が生まれた時、
(この世界でない、別の世界でって事だけど。)
僕は一人だったんだろうか?
他に、一緒に生まれた子がいたような気がする・・
だからって、その子と関係があるなんて
絶対ありえないはずなんだけど・・・・
Posted by えんめい茶本舗 at 16:09│Comments(0)
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