2012年02月16日
Vol.1-14
病院に行くのは、大嫌いだった。
無理やり連れて行かれ、
弱った体で、抵抗し、暴れても、
強引に捕まえられ、注射されてしまう・・・・
でも、
もう、無理やりカゴに入れられ、
車で、出かける事もなくなった・・・・
僕は何のために、ここにいるのか。
苦しいばかりの日々なのか・・・
何も答えは返ってこないけれど
キエとの別れが近づいてきた事は、
猫としての最後が、すぐにやって来る事は
わかっていた。
ある夜。
僕は、
眠っているキエを呼んでみる
「にゃおー」
「ん、どうしたの?」
「にゃおー」
「レオ?」
「にゃおー」
「!」
今まで、僕はめったに鳴かなかったよね。
ある夜。
僕は、
キエをじっとみつめる。
ただ、じっと。
キエが涙で、
僕を見返す事ができなくなっても
ただ、
じっと。
Posted by えんめい茶本舗 at 16:08│Comments(0)
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