秋の漢方
季節の漢方(秋について)
中国医学では、24節気のうち立秋から霜降までの6つの節気を秋に分類しています。
●立秋(りっしゅう、今年は8月7日です)
残暑がきびしく、まだまだ暑い最中ですが、朝夕は秋の気配が感じられます。
●処暑(しょしょ、8月23日)
暑さが峠を越え、朝夕は涼しさも感じられるようになります。
秋になると猛烈な暑さもなくなり、気分が落ち着いてきます。私たちの体の中でも、暑さで消耗した体力が次第に回復し、生理活動も徐々に安定してきます。
発汗が少なくなり、体熱や水分・塩分の代謝もバランスが取れて、消化機能も平常の状態に戻ってきます。また心臓や血管への負担も軽くなるのでエネルギー代謝は基本的な安定した状態となります。
秋は体内の各器官・機能の休息と調整の季節といえますが、健康に影響を及ぼす多くの要素があり、また夏に消耗したものを十分に補充することも重要です。この時期こそしっかり養生を心がけることが大切です。
秋の養生の注意点
1、乾燥を防ぐ
秋になると気温が下がり始め、雨も少なくなって湿度が低くなり、空気が乾燥してきます。五行の考え方では秋は肺に対応しており、乾燥した気候は肺の陰気を損傷させ易いと考えられます。そのため、口や咽喉が渇く、空咳が出る、肌が乾燥する、便秘しやすいなどの症状が出易くなります。さらに酷いときは咳込んで血が混ざることもあります。したがって秋の養生は乾燥を防ぐことが第一に重要です。
2、基礎体力を養う
夏は体力の消耗が大きく、消化吸収力は衰える季節です。
古来、四季の規律を表す「春生、夏長、秋収、冬蔵」という言葉がありますが、秋は人体にとっても収穫の季節で、体力を養う重要な時期といえます。
気候は涼しくなり、人体の陽気は徐々に衰え、朝晩と日中の温度差が大きくなりますので、毎日の生活に注意を払って風邪などひかぬ気配りが必要です。関節痛や高血圧、心臓疾患のある人は、体を冷やさないようにして病気の再発を防ぐよう心掛けなければなりません。また「秋老虎」といって暑さが急に戻ることがありますが、このとき冷たいものを飲んだり食べたりし過ぎないよう気をつけましょう。特に子供やお年寄り、慢性病などで体力の衰えている人は注意が必要です。
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