国境を越えても、ハトムギは変わらず

えんめい茶本舗

2013年07月12日 13:43


えんめい茶の主原料の一つ、ハトムギ。鳩麦とも書きます。
黒姫和漢薬研究所は、かつてベトナム産のハトムギを使用していま
した。ベトナムの北部、ラオスに近い山村のモウカッチャンという山
村で契約栽培を行い、輸入をしていたのでした。ちなみにこの村は
秘境とも言える僻地で、首都ハノイから車で14時間、その後徒歩で
山を登り2時間という場所です。この村は山上にあるので水が貴重
品です。ですから栽培できる作物は水を余り使わないものが適して
おり、陸稲が主要な産品でした。その陸稲畑の中に、ハトムギを植
えると、一茎に実るハトムギがヨクイニンが一杯つまった出来の良
いものになるのと同時に、収穫量も増えるのです。ちなみに、ハトム
ギは米や麦のように密作(間をつめて植える事)をすると茎だけが伸
び、実りが悪くなるのです。
ベトナムでの契約栽培はおよそ10年にわたり続きましたが、僻地の
山村にも経済成長の波は否応なしに押しよせてきました。若者がど
んどんと都会にでるようになり、離農する農民が増えたのでした。
そこで、国内での栽培地を探していたところ、富山県小矢部市での
栽培農家の中山さんに出会ったのです。密作に適さなかったハトム
ギを改良し、反収を増やし国内の農業経営にも適すように畝の作り
方や土の堆肥などにも工を凝らし、ベトナムの山村産のものにも劣
らないハトムギとなったのです。このハトムギには力があり、高温の
焙煎にも十分耐え、うま味を増すのです。えんめい茶の味も必然的
に良くなったのです。
夏の暑い時期には、煮出しすこともできますが、水出しをするとクマ
ササやクコの味も出て、美味しく召し上がることも出来ます。これも
国内産のハトムギの力が、他の和漢草の力を引き出しているので
しょう。
学名 Coix lacryma-jobi var. ma-yuen
和名 ハトムギ
英名 Job's tears; Adlay
皮を剥いた種子を薏苡仁(よくいにん)と呼ぶ。
いぼ取りの効果、利尿作用、抗腫瘍作用などがあるとされる。
ハトムギエキスは皮膚に塗布すると、保湿作用、美白作用がある。

関連記事