雨に濡れるドクダミ
ベトナムは、今ではすっかり経済発展著しいASEAN(東南アジア
諸国連合)の中核国ですが、黒姫和漢薬研究所がハトムギの栽培
を委託していた1990年代当時は、郊外に出ると日本の昭和30年
代 の風情を感じられる状況でした。そのベトナムでの食事は米
粉を主原料とするフォー(Pho)と呼ばれる米麺でした。鶏スープ
に鶏肉や牛肉を載せ、好みでライム果汁や氷砂糖をかけて食べる
のだが、この時付け合わせで出てくるのが、「ドクダミ」のサラ
ダなのです。ドクダミの独特の香りを嗅ぎながら口に運ぶと、酸
味と苦味が混在した中に、ほのかな甘さがあるのです。
梅雨空の下、黒姫山麓工場の庭に出て、まだ若いドクダミを口にし
てみた。懐かしい香りと味が口に広がる。海外生産の拠点を求め
てベトナムの山野を何時間も歩いた日々が思い出されます。
ドクダミ 学名Houttuynia chordate
十薬と呼ばれ、その効果は多岐に
わたる。利尿作用や動脈硬化の予防
に効果があると言われる。
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